AGAはAndrogenetic Alopeciaの略称で、日本語では「男性型脱毛症」と呼ばれています。医学的にはMale Pattern Hair Lossといわれるようになってきており、AGAは特に成人男性に多くみられる脱毛症の一種です。現在では、薄毛や抜け毛に悩む男性のほとんどがAGAであるといわれています。
AGAは主に男性ホルモンに起因して発症する疾患ですが、男性ホルモン以外にも遺伝や生活習慣などさまざまな要因が関わっていると考えられています。一般的に額の生え際や頭頂部のつむじ周辺から抜け毛が起こるとされており、進行性の脱毛症であるため時間をかけて少しずつ薄毛が進んでいくのが特徴です。したがって、AGAを発症した場合は何らかの治療を施さない限り薄毛が進行し続けてしまうため、早い段階で医師の診察を受けることをおすすめします。
一般的な目安とされるAGAのセルフチェック方法は次のような項目があります。チェック項目に1つでも当てはまる場合はAGAの可能性を否定できません。
ほかにも、おでこと頭皮の距離を測ることでAGAのセルフチェックをすることも可能です。まず、顔の筋肉だけで額にシワをつくります。額にできた一番上のシワと髪の毛の生え際の間に指を1本置いてみましょう。
シワと生え際の距離が指1本分であれば薄毛の可能性は低いと考えられますが、2、3本分の距離が空いている場合はAGAである可能性が考えられます。しかし、前額部の広さは個人差があるため、あくまで目安です。
AGAによる薄毛には、いくつかの進行パターンと進行の度合いをあらわすレベルがあります。このパターンやレベルには、アメリカのハミルトン医師が提唱し、のちにノーウッド医師が改定した「ハミルトン・ノーウッド分類」と称される全12パターンの世界的基準が用いられています。
AGAには前頭部の額の生え際から薄毛が進行するタイプや、頭頂部のつむじ周辺から薄毛が進行していくタイプ、前頭部と頭頂部の薄毛が同時に進行する混合タイプなどのパターンがあります。
また日本人の場合は欧米人にはあまりみられない、頭頂部の薄毛のみが進行するパターンが多く存在します。そのため日本では、ハミルトン・ノーウッド分類に「Ⅱvertex」というパターンを加えた「高島分類」が広く利用されています。
このようにAGAの進行パターンや進行度合いのレベルには世界的基準が設けられているのものの、“現在どのパターンに属しているか”の判断が素人の目では難しいため、気付かない間に薄毛が進行してしまうことも少なくありません。薄毛の進行状況が気になった場合は容易に自己判断せず、医師に診断してもらいましょう。
AGAの発症には主に男性ホルモンが関与しているため、思春期以降に発症するケースが多いとされています。日本人男性のAGAの発症率は、20代で約10%、30代で約20%、40代で約30%、50代以降で40数%と、年齢に比例して高くなる傾向にあります。
AGAを発症している人は全国で1,260万人、そのうち気にかけている人は800万人、何らかのケアを行ったことのある人は650万人ほどといわれています。
AGAは進行性の脱毛症であるため何もせずに放っておくと抜け毛が増え、上記の図のように髪の毛の本数が徐々に減り、少しずつ薄くなっていきます。こうして着実に症状が進行していく性質を持つことが、AGAは早めのケアが大切だといわれている理由です。
AGAによる薄毛や抜け毛の仕組みを知るためには、「ヘアサイクル(毛周期)」について理解しておくことが重要です。髪の毛の成長にはヘアサイクルと呼ばれる一定の周期があり、通常のヘアサイクルは約1000〜2000日かけて1周します。このヘアサイクルは、大きく3つの段階で構成されています。
さらに成長期は「早期」「中期」「後期」の3段階に分かれています。
髪の毛の1本1本にはそれぞれ独立したヘアサイクルが存在していますが、個々で一生涯に繰り返される回数が決まっているため、ヘアサイクルが終了した時点でその髪の毛は寿命を迎えます。このヘアサイクルが極端に短くなってしまうのが、AGAです。
AGAには、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が体内の還元酵素「5αリダクターゼ(5α還元酵素)Ⅰ型およびⅡ型」によって変化し生成された「DHT(ジヒドロテストステロン)」が大きく関わっています。
DHTは男性ホルモン受容体の「アンドロゲンレセプター」と結合することで、髭などの体毛に対しては成長因子を刺激して毛を太く成長させる作用を持ちます。しかし、前頭部や頭頂部の髪の毛に対しては毛母細胞の分裂を抑制し、ヘアサイクルにおける成長期を短縮させてしまう働きを持っているのです。
DHTによる影響を受けたヘアサイクルは、成長期が最短100日程度と極端に短縮されてしまいます。これは、DHTの生成に関わる5αリダクターゼにより、髭などの体毛では“毛の成長を促すシグナル”が産生されるのに対し、前頭部や頭頂部では“毛の成長期を阻害するシグナル”が産生されるためと考えられています。
このようにヘアサイクルの成長期が極端に短縮されることで、髪の毛は十分に育たないまま退行期を迎えることになります。ヘアサイクルが乱れ、長く太い髪の毛へと成長できずに細く短い髪の毛ばかりが増えていくことを「軟毛化」と呼び、この軟毛化現象がAGAの進行を示し、薄毛へと繋がっていきます。
ここまで説明した通りAGAの主な原因は男性ホルモンですが、遺伝も要因の一つとして考えられており、さまざまな遺伝子が影響していることが知られています。その一つに「X染色体」の影響が考えられています。AGAの発症に関与するアンドロゲンレセプターに関わる遺伝情報が、母親から受け継ぐX染色体に含まれているためです。X染色体は母親からのみ受け継がれる染色体になります。
そのため、アンドロゲンレセプターの感受性が強い遺伝子情報を受け継いだ場合には、薄毛になりやすい可能性があると考えられています。しかし、アンドロゲンレセプターに対する高感受性を示す遺伝子情報をもっていても、必ずAGAが発症するわけではありません。
また、その他にもAGAには睡眠や運動不足、不摂生な食事などの質の悪い生活習慣や日頃のストレスが環境要因として関わっているとされています。中でも、「肥満」はAGAの重症度や発症時期に影響を与えると考えられています。しかし、“肥満であることがAGAの発症率に影響している”という医学的根拠は現時点では認められていません。家系や体質的に将来の薄毛が気になる方は、一度早い段階で医師の診察を受けてみるのもよいでしょう。
AGAの発症時期は人によってさまざまであり、10代や20代から薄毛の症状が現れる方もいます。AGAは一度発症すると進行し続けてしまう脱毛症であると同時に、生涯で繰り返されるヘアサイクルには限りがあります。若いうちにAGAを発症するとヘアサイクルも早い段階で消費されてしまうため、AGAが疑われる場合はヘアサイクルが多く残っている早い段階で治療を開始することが大切です。
AGAは主な原因やメカニズム、進行パターンや進行レベルなど徐々にその全貌が解明されつつある疾患ですが、未だ不明な部分も多くあります。現在の医療ではAGAを「完治」させることは困難です。しかし、治療を継続して行うことで“毛量を改善”させられる可能性はあります。
現在、AGA治療の主流となっている投薬治療は薄毛の進行を抑制して毛量を増やすことを目的としているため、治療によってAGAが改善された状態を保つためには治療を継続し続ける必要があります。
AGAヘアクリニックの治療法は投薬治療です。現在は投薬治療が最も一般的な治療法とされていますが、AGA治療には他にも様々な方法が存在します。
投薬治療に用いられる治療薬にはいくつかの種類がありますが、主にAGAの進行を抑制し“現在の毛髪の状態を維持する”ための治療薬と、発毛効果によって“髪の毛を復活させる”ための治療薬があります。
用いられる治療薬には内服薬と外用薬があります。内服薬または外用薬のみ、または内服薬と外用薬を併用するケースなど、薄毛の進行具合によって患者様お一人おひとりに合った治療薬を処方します。以下、それぞれの治療薬について詳しく解説します。
薄毛の進行を抑制する治療薬には、「デュタステリド内服薬」と「フィナステリド内服薬」の2種類があります。
デュタステリドには、DHTの元となる5αリダクターゼⅠ型およびⅡ型の双方を阻害する働きがあります。5αリダクターゼの働きを阻害することでDHTの生成が抑制され、ヘアサイクルが正常に整っていくため抜け毛や薄毛の改善が期待でき、内服を継続することで進行を予防できます。
主にAGAへ関与する「5αリダクターゼⅡ型」に対するデュタステリドの薬理作用は、類似の作用を持つフィナステリドの約3倍、「増毛効果」はフィナステリドと比べ約1.6倍の効果を持つといわれています。
《副作用》リビドー減少、勃起機能障害(ED)、射精障害、肝機能障害 など
デュタステリドが5αリダクターゼⅠ型およびⅡ型の双方を阻害する一方で、フィナステリドは「Ⅱ型5αリダクターゼ」のみを阻害する働きを持ちます。デュタステリドと同様、この働きによってテストステロンがDHTに変化されることを防ぎ、DHTによって短縮されたヘアサイクルを改善する効果が期待できます。
《副作用》リビドー減少、勃起機能障害(ED)、射精障害、肝機能障害 など
このようにデュタステリドやフィナステリドは、AGAの発症によって短縮されたヘアサイクルを改善させることでAGAの進行を抑制する働きがあります。AGAの進行があまり認められず、比較的軽度で早期発症のAGAである場合はデュタステリドやフィナステリドを用いてAGAの進行を抑制することで、薄毛の改善が望めるでしょう。
また、それぞれの副作用に関しては発症することは極めて稀であり、臨床試験においても危険性は低いと考えられていますが、服用にあたり心配な場合は医師に相談してみてください。
発毛を促す治療薬には、「ミノキシジル外用薬」と「ミノキシジル内服薬」の2種類があります。
AGAの症状がある程度進行している場合には、AGAの進行を抑制するだけでは薄毛が改善されにくいため、AGAの進行を抑制する治療薬に加えて、発毛効果を持つ「ミノキシジル」の外用薬を用いることが多くあります。ミノキシジルは元々、高血圧患者向けの降圧剤として開発されましたが、後に発毛を促進させる効果があることがわかりAGA治療薬としても使用されるようになりました。ミノキシジルは毛母細胞を増殖させるだけでなく、細胞のアポトーシスを抑制することで短縮されたヘアサイクルの成長期を延長する働きを持っています。
《副作用》頭皮のかゆみ・かぶれ
※特に肌の弱い方の場合
AGAヘアクリニックでは、発毛を促すミノキシジルの内服薬も取り扱っています。ミノキシジル内服薬は血中より毛球部分にある毛乳頭を辿って効果を発揮するため、ミノキシジル外用薬よりも高い発毛効果が期待できると考えられています。ミノキシジル内服薬は現在、国内では未承認薬となりますが、医師の指導のもと適切に服用していくことで安全により高い効果が望めます。
《副作用》頭痛、めまい、動悸 など
近年ではAGAの症状が進行している場合、フィナステリドやデュタステリドでAGAの進行を抑制しながらミノキシジルの外用薬を併用し、発毛を促す方法が標準的治療とされています。
「自毛植毛術」は、AGAに侵されていない後頭部から健康的を毛根ごと(頭皮ごと)採取し、AGA患部に移植する外科手術です。
82.5%以上という高い生着率が得られることから、自毛植毛術はAGAによる薄毛の改善にも効果が期待できることが予想され、「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版(以下、ガイドライン)」では男性においての推奨度が「Bランク(行うよう勧める)」となっています。しかし、費用が高額になりやすいだけでなく、痛みや外科手術に伴うさまざまなリスク(合併症など)を伴うことが懸念されています。
「メソセラピー」は、皮下注射によって髪の毛の成長を促す有効成分を直接体内に注入する医療行為で、美容目的の治療などの分野で使用されてきた手法です。薄毛治療の分野においては、有効成分を配合した薬液を直接頭皮に注射する方法が一般的です。
医療において、まずは“侵襲性の少ない治療から行う”ことが鉄則であり、世界的にもメソセラピーによるAGA治療は推奨されていません。また投薬治療に比べて有意に効果があるという論文は存在せず、内服薬を併用して行うことが大半であるため、発毛や薄毛改善の効果がみられたとしても内服薬のみの効果である可能性も考えられます。
HARG療法は脂肪由来の幹細胞から抽出した「成長因子」を頭皮に注入し、髪の毛の成長を促すメソセラピーの一種です。最近では痛みの軽減を目的として、針を使わずにパルス電圧を頭皮に送って成分を細胞に浸透させる「ノンニードル」という手法もあります。
このHARG療法は成長因子の注入によって毛包が回復し、髪の毛を生成する毛母細胞が活性化されて頭皮環境の改善や発毛を促すとされています。HARG療法において頭皮に注入する成分はさまざまで、個人の症例に合わせて成分の配合を変えることができるため「HARGカクテル」とも呼ばれています。しかし、髪の毛の再生を促す治療法でありAGAに起因する男性ホルモンを抑制するわけではありません。
またガイドラインにおいては、臨床試験の多くが限られた施設における倫理委員会の承認を必要とする先進医療の段階であること、安全性なども含め有効性が決して十分に検証されているとはいえないことなどから、今後が期待される治療法ではあるものの、推奨度は「C2ランク(行わないほうがよい)」となっています。
AGA治療は主に医師の問診・視診によって病状を診断し、治療法を決めていきます。当院の投薬治療の場合は、月に1度経過観察を行い、お薬をお渡しするのが一般的です。また最近ではスマートフォンなどのアプリを使用したオンライン診療と、クリニックに直接出向く対面診療の2つの方式を採用しているクリニックが多く、コンスタントな通院が必要となるケースは減少傾向にあります。ただし、植毛やメソセラピーなど施術を伴う場合は通院しなければなりません。
ここでは、AGAヘアクリニックでの治療の流れをご説明します。
AGAヘアクリニックではカウンセリング・診察は何度でも無料で行っております。とくに治療することもなく診察のみで終了した場合に支払いが発生することは一切ございませんので、お気軽にご相談ください。
【オンライン診療に関するご注意点】
※症状によっては、半年に1回を目安にご来院をお願いすることがございます。
現在、推奨されている内服薬と外用薬を用いる治療法は、治療を開始してから発毛の効果がみられ、薄毛の改善を実感するまでにはある程度の時間がかかります。個人差はありますが、“発毛を実感”するまでの時間は早い人で約3カ月程度、“薄毛が改善されたと実感”するまでには約6カ月〜1年程度かかるといわれています。そのため、AGAの治療は定期的に医師の診察を受け、ある程度継続的に治療薬を処方してもらう必要があります。
また治療薬によって薄毛が改善されたと実感できた場合でも、治療薬の飲用を止めてしまうとAGAが再発してしまう恐れがあるため、薄毛が改善されたあとも医師と相談しながら治療薬の量や種類などを調整しつつ継続していくことが推奨されます。
先述の通り、AGA治療は開始時期が遅れると改善率が低下したり、治療効果率が低下することがわかっています。ヘアサイクルが寿命を迎える前の段階であれば、治療で発毛を促し薄毛の改善を実感できるため、薄毛にお悩みの場合はなるべく早めに医師の診察を受けることをお勧めします。
AGAヘアクリニックでは、患者様お一人おひとりにあった治療法を適正価格でご提案させていただいております。治療費は1,800円からご利用可能で、お支払いは現金または各種クレジットカードで承っております。
FINA
(フィナステリド配合内服薬)初月
1,800
円/
2回目以降
3,600
円フィナステリドはAGA(男性型脱毛症)の進行を抑え、髪の毛が生え変わる周期(ヘアサイクル)を正常な状態へ戻すためのAGA治療薬です。アメリカの医薬品管理局であるFDAでも認可されているAGA治療用の薬剤で、世界中で広く利用されています。
DUTA
(デュタステリド配合内服薬)8,000
円オンライン診療価格
7,200
円AGA治療薬としてフィナステリドが一般的ですが、AGAヘアクリニックでは患者様にまずデュタステリドをご提案しています。デュタステリドはAGAに対してフィナステリドと同様の作用を持つAGA治療薬ですが、フィナステリドに比べ効果がより高いといわれています。詳しい効果や作用のメカニズムについては次項でご説明します。
MINOCK
(ミノキシジル配合内服薬)10,000
円オンライン診療価格
9,000
円ミノキシジル内服薬は血中より毛球部分にある毛乳頭を辿って効果をあらわします。内服薬は体内の血中から薬効を発揮するため、外用薬よりも高い発毛効果が期待できるといえます。
MINOCK LIQUID
(ミノキシジル配合外用薬)13,000
円オンライン診療価格
12,000
円ミノキシジル外用薬は、頭皮に直接塗布させるタイプのAGA治療薬です。有効成分が皮膚の中に浸透(直接浸潤)して毛根まで届くことで効果を発揮します。内服薬との併用で、より発毛効果を実感していただけます。
PANTO
(育毛サプリメント)6,000
円PANTOは主にパントテン酸カルシウムやケラチン、シスチンといった栄養素を含み、頭皮に栄養を行き渡らせて頭皮環境を整え薄毛を改善していく効果があります。同成分を配合するパントガール®(Pantogar)は臨床試験なども行われており、女性の薄毛に多く見られる「びまん性脱毛」に有効であるとされています
AGA治療薬の他にも、女性専用内服薬、毛髪成分サプリメント、オリジナルシャンプーなどの取り扱いがございます。各種費用や検査費用、お支払い方法の詳細はこちらをご覧ください。
提示価格はオンライン診療の場合の価格になります。
症例写真は来院時に撮影したものです。
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AGAヘアクリニックでは、すべての患者様にご満足いただくため、カウンセリング・診察は無料で行なっております。ご納得いただけるまで何度でもご相談ください。AGAは生命に直接関わる疾患ではありません。しかし、患者様の将来や未来を見据え、悩みや苦しみを解消するために治療を施すべきであるとAGAヘアクリニックは考えております。
AGAヘアクリニックは、プライバシーに配慮した完全個室制を実現し、カウンセリング・診察からお会計まですべてを個室で行うことができるシステムを導入いたしました。プライベートな空間で、患者様お一人おひとりに合った最適なAGA治療をご提案させていただきます。ぜひ一度、お気軽にご相談にいらしてください。
医師監修のもと、AGA治療の基礎知識や
薄毛対策に関するトピックをお届けします。