頭皮のにおいの原因は? 対処方法も詳しく解説します

頭皮のにおいの原因は?

男女を問わず、厄介な悩みの種となる“頭皮のにおい”。いつもより念入りにシャンプーをしてみたり、ヘアフレグランスを使ってみたりしてもなかなか良くならないとお困りの方も少なくないでしょう。においそのものも困ったものですが、何より「頭皮に異常が起きているのでは?」と心配になる方もおられるかと思います。

毎日シャンプーをしていても頭皮のにおいが気になるという場合は、実際に頭皮に何らかのトラブルが起きている可能性が考えられます。さらに、頭皮のにおいが気になりだすと、他人の目が気になって円滑なコミュニケーションに支障をきたす恐れも。頭皮のにおいは、心とからだの健康のためにもなるべく早いうちに対処すべき問題です。原因や対処法をしっかり理解して、トラブルの改善に励みましょう。

頭皮のにおいの原因は?

頭皮の皮脂の過剰分泌

頭皮のにおいは主に皮脂が過剰に分泌され、それをエサにする常在菌が増殖することで引き起こされます。つまり、常在菌の過剰な繁殖や余分な皮脂の酸化が頭皮のにおいの根本的な原因です。

頭皮は皮脂腺が最も多く、顔のTゾーンの2倍以上。汗腺は手のひらや足の裏に次いで多くあり、分泌量も多いといわれています。そのため生活習慣や日頃のケアなど、少しの変化にも影響を受けて皮脂分泌が過剰になりやすいのです。

具体的な原因としては、以下のような理由が考えられます。

シャンプーが合わない・シャンプーのしすぎ

一見すると不要に感じる皮脂ですが、実は角質層の外側に皮脂膜をつくり、外的刺激や汚染物質などから頭皮を守ったり、肌水分の蒸発を抑えたりする重要な役割を担っています。

したがって、頭皮に対して洗浄力が強すぎるシャンプーを使っていたり、日に何度も洗髪しすぎたりすると必要な皮脂を洗い落としてしまうため、頭皮が刺激を受けやすくなったり乾燥しやすくなったりするなどの頭皮環境の乱れにつながるのです。

頭皮が乾燥しすぎると、頭皮を乾燥から守るためにかえって皮脂分泌が活発になり、過剰な皮脂分泌を引き起こす可能性があります。

偏った食生活

脂っぽい食事を好む食生活を続け、脂質を慢性的に過剰に摂取することも頭皮の皮脂が過剰に分泌される原因として考えられます。カロリーの摂りすぎは中性脂肪の蓄積につながる上、頭皮を含む全身からの皮脂分泌が増えるため、頭皮のにおいはもちろん、体臭自体が気になりやすくなることも考えられるでしょう。

また脂質のほかにも、香辛料の摂りすぎやビタミンB群の不足などが皮脂の過剰な分泌に関与するといわれています。

加齢

男性は加齢によって皮脂の化学成分が変化します。その皮脂の状態の変化に伴い、体臭も変わるといわれているのです。そのような原因から年齢を重ねるとミドル脂臭(※1)や加齢臭(※2)など、体臭ひいては頭皮のにおいが気になりやすくなります。

※1 30、40代のミドル男性に発生する、脂っぽいような体臭。
※2 皮脂成分が酸化されることで発生する体臭。50代半ば以降から本格化するといわれる。

特に男性はホルモンの影響により皮脂量が多いため、女性よりもにおいが発生しやすくなるといわれています。しかし、女性の場合は30代をターニングポイントに若いころ特有の甘い香りの原因成分である「ラクトン」が減少し、さらに加齢臭の代表成分「2-ノネナール」が増加する傾向にあります。そのため、加齢によって頭皮のにおいが変化するといわれており、年齢の変化に伴った対処が必要になります。

頭皮は汗(エクリン汗)をかきやすいうえ、髪の毛に覆われているため、汗が蒸発しにくく蒸れやすいといった特徴がありますが、汗をかいたまま放置しておくと雑菌が増えやすい環境になります。雑菌が皮脂をエサにして過剰に増殖することで不快なにおいが発生するため、汗をかいた場合は早めに拭いておくことが大切です。

ただし、拭くときに頭皮を強くこすると摩擦によって頭皮表面の角質に細かな傷がついてしまい、バリア機能が低下してしまう結果、乾燥しやすくなります。前述のとおり頭皮の乾燥は皮脂の過剰分泌に繋がるため、汗は優しく丁寧に拭き取りましょう。

皮膚疾患

頭皮の脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎、接触皮膚炎(かぶれ)などの皮膚疾患がにおいの原因になることもあります。

脂漏性皮膚炎とは、頭皮、顔面、腋周辺など皮脂の分泌が多い部位に起こりやすい皮膚疾患です。「真菌マラセチア」というカビの一種が皮脂をエサにして増殖し、皮脂を分解することで炎症を起こします。症状としてはフケやかゆみ、赤みが現れます。

アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎は赤みやフケ、かゆみが生じる皮膚疾患ですが、症状が悪化することでフケや浸出液が増え、雑菌が繁殖してにおいが発生するケースもあります。爪を立てて頭皮を洗ったり硬いブラシなどで洗髪しすぎるなど、頭皮に過剰な刺激を与える行為は頭皮の炎症を増悪させることがありますので、なるべく控えましょう。

頭皮のにおいの対処方法

原因が把握できても、適切な対処が出来なければ頭皮のにおいは改善しません。日々の生活に取り入れやすい方法や、医療機関に相談する方法など、すぐに行える対処法について説明していきます。

頭皮や髪を清潔に保つ

まずは、余分な皮脂や汚れをしっかりと落として頭皮を清潔に保ちましょう。頭皮環境の悪化を防ぐためには、余分な皮脂やホコリ汚れなど、その日の汚れはその日のうちに落とすのが基本。とくにヘアワックスなどのスタイリング剤を使った日は、必ず洗髪をするのがおすすめです。

ただし、もともと皮脂の分泌が少ない人に関しては2日に1回程度の洗髪でもよいでしょう。ご自身の肌質や皮脂の分泌量などにあわせて1日に1回、あるいは2日に1回程度を目安に。皮脂の分泌が多い人でも、基本的には1日1回以上の洗髪は避けるのが無難です。

また洗髪の回数については、頭皮を労わるためにも“基本的には1回のシャンプーで汚れを落とし切る”のが理想的です。お湯で予洗いをしてからシャンプー液を手に取り、泡が頭全体に行き渡るよう指の腹で揉みこむようにしっかり洗います。ただし、先述したように爪を立てたり、ごしごしこすりすぎるような洗い方は、頭皮を傷つける恐れがありますので避けましょう。

もし、しっかり洗髪した後も頭皮のベタつきや汚れ残りなどが気になる場合は、先に髪の毛だけを洗い流し、その後に地肌を洗う方法もおすすめです。地肌を1度、髪の毛を2度洗うようなイメージで、丁寧に2度洗いしてみてください。

シャンプーを変えてみる

洗髪方法を工夫してみても頭皮の乾燥、もしくはベタつきや汚れ残りが気になるという場合は、シャンプー自体を変えてみるのもひとつの手です。頭皮の負担になりにくいものを選ぶに越したことはないのですが、シャンプーの洗浄力は穏やかであればそれで良いというものでもありません。

洗浄力が弱すぎると皮脂や汚れ残りが発生しやすくなるため、適度に汚れを落としつつ刺激になりにくいシャンプーを選ぶとよいでしょう。肌質とシャンプーとの相性は人それぞれ異なるため一概には言い切れませんが「ココイルメチルアラニンNa」「ラウロイルメチルアラニンNa」などのアミノ酸系の洗浄成分(界面活性剤)が配合された「アミノ酸系シャンプー」は、比較的頭皮の負担になりにくいといわれています。

フケの原因が「脂漏性皮膚炎」と診断されている場合は、原因の一つとして考えられている「真菌マラセチア」の異常繁殖を抑制するために、抗真菌薬である「ケトコナゾール」を頭皮に外用することが医学的に適切な治療方法です。脂漏性皮膚炎と診断された方や疑われる方は医療機関でケトコナゾールが配合されたシャンプーを処方してもらい、まずは上記のアミノ酸系シャンプーなどで頭皮のよごれを落とした後で、次にケトコナゾール配合シャンプーを使用して真菌マラセチアを殺菌する、という治療を継続していくことで頭皮のにおいが改善する可能性があります。

食事や睡眠など生活習慣に気をつける

もともとの肌質や体質にもよりますが、食事による必要以上の脂質の摂取が皮脂の過剰分泌の原因となる場合があります。また脂質だけでなく糖分、塩分が多いものの食べ過ぎ、逆に無理なダイエットによる栄養不足などの偏食は、頭皮だけでなく体の健やかな成長に支障をきたします。

野菜や果物、肉、魚など、さまざまな食材をバランスよく食べましょう。また、朝はしっかり食べて夜は就寝直前に摂取しないなど、体に良い食習慣を意識してみてください。

そして、健やかな体質づくりのためには質の良い睡眠習慣も大切です。まずは、6〜8時間程度の十分な睡眠時間を確保すること。また“ただ眠る”だけでなく、就寝前3~4時間以内はカフェインを避ける、就寝直前はPCやスマートフォンのブルーライトを避ける、ラベンダーのように鎮静作用のある香りを利用するなど、小さな工夫を取り入れることで、より質の高い眠りが得られます。

医療機関を受診する

頭皮のにおいが多少気になる程度であれば、上記のようなさまざまな工夫で改善する可能性があります。しかし、頭皮の赤みや強いかゆみ、著しいフケ、浸出液、出血などの強い皮膚症状が見られたり、頭皮のにおい以外にも明らかな体調不良がある場合は、医学的な原因精査と治療が必要になる可能性が考えられます。

上記に当てはまる場合や、しばらく自身で対処してみてもなかなか症状が良くならないときなどは、それ以上の無理はせずに、なるべく早いうちに医療機関を受診してみてください。医療機関でないと対応できない皮膚疾患や内科的な疾患がみつかり、適切な治療をしてもらえる可能性があります。

頭皮のにおいとAGAは関係ある?

多くの男性を悩ませる頭皮の異変といえば薄毛ではないでしょうか。「最近抜け毛が増えているような気もするし、頭皮のにおいもAGAの前兆かも…」と心配している方もおられるかもしれません。しかし、頭皮のにおいとAGAには直接的な因果関係はありません。

ただし頭皮のにおいが気になるということは、頭皮に何かしらの異常が起きていたり、良くない頭皮環境である可能性が高い状態なので、すでにAGAを発症している場合ではこのような要因によって脱毛症状がさらに助長されてしまうことも考えられます。

AGAが悪化する要因をなるべく少なくするためにも、健やかな頭皮環境の維持のためにも、日頃からしっかりと頭皮ケアを続けていきましょう。

徹底ケアで健やかな頭皮に! AGA治療は専門クリニックへ

ある程度の頭皮のにおいであれば、ご自身で対処法を用いることで少なからず症状は改善できるでしょう。しかし自分の手ではどうにもならないときや、フケやかゆみ、赤みなど、におい以外の症状が気になるときは一度医療機関に相談し、適切な治療・指導を受けてください。また極端に抜け毛が増えた場合や、すでに薄毛が気になる場合などはAGAを発症している可能性があります。その場合はAGA・薄毛治療専門のクリニックで治療が可能です。

AGAは進行性の脱毛症であるため、自然治癒することはありません。放置しているとヘアサイクルの乱れにより薄毛が進行してしまいます。薄毛治療専門のAGAヘアクリニックには、豊富な知識と経験を持った医師が在籍しております。頭皮状態や薄毛の原因によっては当院で治療が施せない場合もありますが、そのような場合でも皮膚科などの症状に合わせた専門病院を紹介することが出来ますので「ひとまず現状が知りたい」という方でも安心してご来院いただけます。少しでも薄毛治療が気になるという方は、まずは当院へお気軽にご相談ください。

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AGAコラム

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