パントガールは臨床試験なども行われており、女性の薄毛に多く見られる「びまん性脱毛」に有効であるとされていますが、妊娠中や授乳中、12歳未満の服用は控えたほうがよいといわれています。
女性の薄毛は髪の毛全体のボリュームが減ってくる「びまん性脱毛」が一般的です。びまん性脱毛の中に女性の多くが罹患する「FAGA(女性男性型脱毛症)」、最近では「FPHL(Female Pattern Hair Loss)」と呼ばれる疾患が含まれます。
びまん性脱毛には加齢や出産によるホルモンバランスの乱れ、過度なダイエットによる栄養不足、全身疾患の合併症、生活習慣やストレスによるものなどがありますが、パントガールは主に全身疾患に伴う脱毛ではない場合に有効とされており、現在は女性の薄毛治療に広く用いられています。
《パントガール使用することが多い症例》
パントガールはびまん性脱毛や産後脱毛などの改善に効果が期待できます。パントガールにはAGA治療薬のような直接発毛に作用する成分は含まれていませんが、頭皮環境の改善や髪の毛の成長に欠かせない成分が多く含まれており、それらが複合的に作用することで発毛をサポートしています。
配合されている成分の役割は、以下の通りです。
パントガールという名前の由来であるパントテン酸カルシウムは頭皮の細胞や毛髪を健康に保つ役割があり、副腎皮質ホルモンの合成にも関与するといわれていることから、ストレスによる脱毛緩和が期待できます。
ケラチンは細胞を構成するタンパク質の一種で、髪の毛の生成に欠かせない成分です。髪の毛をダメージから守り、白髪予防などにも効果があるとされています。また、ケラチンを構成するシスチンというアミノ酸も含まれています。シスチンはコラーゲンの生成に関わる成分で、肌の新陳代謝を助けるほかシミ予防にも効果的といわれています。
このほかビタミンB群や薬用酵母、チアミンなど育毛や肌によいとされる成分が含まれているため、パントガールは薄毛改善だけでなくスキンケアにも効果的です。
パントガールはフィナステリドやデュタステリドなどの医薬品と異なり、ケラチンやアミノ酸、ビタミンやタンパク質などの栄養素を主成分としたサプリメントに近い薬であるため、重篤な副作用は報告されていません。
軽度のものでは腹痛、下痢、めまい、頭痛、動悸、胸やけなどが起こる場合があるとされています。もしこのような症状が生じたり、体に異常を感じたりした場合は医師の診察を受けたほうがよいでしょう。
女性の薄毛・抜け毛で比較的多く見られるのが、「びまん性脱毛」に分類される症状です。びまん性とは“広範囲に広がる”という意味であり、その名の通り頭髪が全体的に薄くなることが特徴です。びまん性脱毛は、いくつかの原因によって広範囲に薄毛が広がる脱毛疾患の総称を指します。
びまん性脱毛の代表的な疾患の一つには、男性に多く見られる「AGA(男性型脱毛症)」に、英語で女性を意味するFemaleの頭文字をつけた「FAGA(女性男性型脱毛症)」や「FPHL(女性型脱毛症)」などと呼ばれるものがあります。びまん性脱毛の中で最も多いFPHLは明確な原因が未だ解明されておらず、加齢によるホルモンバランスの変化や様々な原因による“休止期脱毛”だと考えられています。
また、びまん性脱毛は原因によって進行度合いも異なり、大きく「急性」「慢性びまん性」「慢性」に分類されます。
急激に抜け毛が増える症状は、急性休止期脱毛であると考えられています。
半年以上かけて進行し、軟毛化を伴わず頭部全体に薄毛が広がっていく場合は慢性びまん性休止期脱毛が疑われます。原因としては以下のような理由が挙げられ、全身疾患との関連性が高いとされています。
比較的高齢で発症し、急性休止期脱毛や慢性びまん性休止期脱毛などのような原因がなく、何年もの長い年月をかけて脱毛が生じる場合は慢性休止期脱毛に分類されます。誰にでも生じる可能性がある“加齢による変化”の場合は、閉経前後から顕著になることが多いです。
FPHLは慢性休止期脱毛に分類されます。髪の毛が簡単に抜けるような症状(易抜毛性)が見られない場合は加齢による変化である場合が多く、緩徐に薄毛が進行していくことが一般的です。
びまん性脱毛は少しずつ症状が進んでいくケースもあれば、急に抜け毛が増えるケースもあります。ゆっくりと薄毛が進行していく慢性びまん性休止期脱毛や慢性休止期脱毛の場合は自覚症状がないことも多く、症状がある程度進行してから気付くことも少なくありません。
前述の通り、男性の薄毛の多くはAGA(男性型脱毛症)ですが、AGAは女性の薄毛とは症状やメカニズムが異なります。AGAは成人男性に見られる脱毛症で、主に男性ホルモンの一種「DHT」の作用によりヘアサイクルが短縮され脱毛する疾患です。主に前頭部や頭頂部から、徐々に薄毛が進行していくという特徴があります。
AGAの治療には、ヘアサイクルの乱れを防ぐ「フィナステリド」や「デュタステリド」などの治療薬が用いられることが一般的です。一方で女性の薄毛は、前述の通り頭部全体が薄くなるびまん性脱毛が特徴であり、AGAのように部分的な脱毛ではないため診断が難しいといわれています。
男性のAGA治療に効果的なフィナステリドとデュタステリドですが、これらは女性への投与は原則行われません。これは妊娠中の女性がフィナステリドやデュタステリドを摂取した場合、胎児が男児の場合に生殖器に異常を起こす恐れがあるといわれているからです。ある臨床試験では、更年期の女性がフィナステリドを服用しても育毛効果は認められなかったとの報告もあります。またフィナステリドとデュタステリドは皮膚からも薬剤が吸収されるため、ご家庭での取り扱いにも注意が必要です。
このように男性と女性とでは薄毛治療に用いる治療法が異なるため、女性の薄毛には専用の治療薬が必要になります。
パントガールの効果を得るためには、1日3回(朝・昼・夕食後に1回1カプセル)の服用を最低でも3カ月程度は継続することが推奨されています。さらに効果を持続し髪の毛の健康状態を保つためには、6カ月〜12カ月の長期服用を定期的に行うことが有用とされています。
パントガールは副作用の心配は低いものの、未成年や妊娠中の女性は服用を避けたほうがよいとされています。
また、パントガールなどの微量栄養素はきわめて熱に敏感であるため、低温または常温の少量の水での服用がよいとされています。
万が一、パントガールを服用中に飲み忘れてしまった場合は、そのまま1回分をスキップし、次回分から通常通りに服用しましょう。
パントガールは現在、個人輸入でも簡単に手に入れることが可能となっています。しかし、個人輸入で入手可能な治療薬は粗悪品が多いため、個人輸入による購入および服用は推奨されていません。
パントガールを含む薄毛治療薬は医師の指導のもと、安全に服用することで薄毛改善につながるため、服用を希望の場合は必ず医師に相談し、処方されたものを服用していくことを強くお勧めいたします。
AGAヘアクリニックではパントガールと同様の成分に加え、育毛に不可欠なビタミンやミネラルを独自に追加した女性向けサプリメント「PANTO」を処方しています。PANTOに含まれる豊富な栄養素によって代謝や細胞の働きが活性化されると、毛母細胞や育毛に関わる組織に効果を発揮し毛髪のアンチエイジング効果も期待できます。
女性の薄毛治療は男性とは異なり、妊娠の可能性がある場合や授乳中など様々な状況や体調を考慮した治療法が必要となります。また育毛促進にはストレスの軽減や日頃の生活習慣の見直しなど、あらゆる角度から適切なアプローチを行うことも大切です。AGAヘアクリニックは女性の薄毛治療に関しても豊富な実績を持ち、女性の患者様お一人おひとりの体質や環境を考慮した安心・安全の薄毛治療を提供しています。
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